「ネカセ」について
「ネカセ」についての話です。
これはメーカーの推奨ネカセ角度があり一律ではありません、
ステージも前に転ぶもの奥に転ぶものそれぞれであり一様ではなく、
特に今では少なくなりましたが「羽根物」ではさらに大きな機種差があると言われています。
一般的な機種で言いますと業界では「4分5厘」と言われています。
これは角度で言えばどれだけとなりますが「大工さんの匠の世界」であります。
よく高速道路で下り勾配○○%といいますが例えば極端な例ですが
100m進み100m下がるのを100%です、これは正方形の斜め線角度であり「45度」です。
これと同じ理屈ですが尺貫法で言われる1尺進むに4分5厘(0.045尺)ですから
傾斜4.5%です。
それではこれは角度が何度かと言いますと、学校で習った
「サイン・コサイン・タンヂェントの三角関数」が必要ですから求めてみました・・・・・・・2.6度です。
その傾斜如何によってステージ仕様の前・後ろに転がるものもあり、
有利にも不利にも作用されることとなります。
次にパチンコ台の上げ釘・下げ釘がありますがこれはパチンコセル盤面に対して
調整した結果でありますが、製作時点で基本的には上げ釘にて4度〜7度で
釘打ちされメーカーや機種により異なる仕様と言われます、
仮に5度としてネカセの2.6度を加えると7.6度となります。
さらにメーカーにより異なる基本ゲージが、釘の打ち込まれる根元を狭くし
先に行くと広くなるものと、
その差の少なくして同じような幅で打ち込みされるものがあります、
前者は広く感じることになります。
ここらをまとめてみますと、玉は左右に対して「広い方に流れる」のがしごく当然の理です。
上下に関しては、まず玉が上から釘にあたると「釘は下にしなり」ガラス面に
当たりながら早く落ちていきます、これを「玉がすべる」と言います。
上げ釘は玉が上に弾み、さらに釘に当たります、
そうなると時間をかけながら下に落ちていきます、これを「玉がからむ」と言います。
これが玉の軌道の考え方です、メーカーの基本仕様があり推奨ネカセ角度があり、
ホール独自の方針による基本ネカセ角度があり、釘調整があります。
もちろん精密に計測し作製された台で、精密に設置されたものであるのですが、
極精密機械でもありませんので個体差が生まれます、
釘・ステージを含めたものがありそれを「台のクセ」と言われます。
よって人の見た目の感覚とは違う結果がでるのもあり「逆も真なり」とも言えます、
スランプもこんな要因で生まれるものでしょうね。
その昔は島全体が安普請なのか、
押せば変わる(揺れると行った方が良いかも)のが殆どであり、
意識的かどうかは別として裏玉数も影響し大きなスランプの原因の一つでありました。
現在はどうかと言えば、
随分頑丈に固定された外枠に台そのものが収まっている(玄関扉をイメージして下さい)
上記で触れていますようにメーカー・機種ごとの推奨ネカセ度数があり、
ホール独自のものもあり、都道府県公安委員会ごとの規制もあるやも知れません。
その固定には「大工の技」が必要ですが、どこにでもある経費節減が求められ
度重なる新台入替にかかる費用と手間を省くため簡易に調整できるアジャスターが
使われるのは自然であり、既に市場に出てきております。
これについて全面的に「ネカセ調整している」とは言われないものの、
されていてもなんら不思議ではありません。
特に、昨今の業界(役所も含め)への追求世論に対して、
ホール納入時のメーカーによる釘調整をしないという表向きの対応が迫られ
「釘調整」そのものがなにかやってはいけないタブー視されています。
「無理を通せば道理が引っ込む」、
所詮は庶民ギャンブル「釘調整」等を問題視する「正論」が紛糾すると、
それに変わるものがなければ厳しい業界運営となりますね。